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「ターゲットは絞らない」:エリアのマーケット分析から出てきたリエッタ中山のターゲット設定と全マーケットに対応できる事の重要性。note/安里博樹より



「ターゲット」や「マーケット」という言葉は、 ビジネスの世界では日々出てきます。


何かを行う際は、 「マーケットを調査し、ターゲットを絞り・・・」 というのが通常です。


今回は、2016年、 リエッタ中山の計画で行った当敷地(沖縄県名護市為又)における マーケット及びターゲット分析について書きます。


先に結論を書くと、


新しく建てるホテルは、 ターゲットは、絞らない!


言い換えると 全てのターゲットをとらえるホテル」である事。


これを説明するためには、 まず、沖縄の観光におけるマーケットの「特殊性」と 「北部エリアの状況」を説明しなければなりません。



1、月毎のシーズナリティーの存在

まず、沖縄観光の月毎のマーケットは、 下記のようになっております。



図で分かる通り、月々の客層は異なります。


この事から、「ファミリー層だけ」をターゲットにしてしまうと、 春・夏・秋・冬休みやゴールデンウィークは、稼働が高くなりますが、 それ以外の月は、稼働が下がってしまいます。


つまり、(他都府県と陸地で繋がった本土と異なり) 海で囲まれた沖縄で発生する「月毎のシーズナリティー」の中で、 ターゲットを絞るという事は、 お客様の数を減らす事に繋がります。


この事から、毎月の稼働率を上げる為、 全てのターゲットを捉えるホテルである事としました。



2、沖縄の北部エリアにおける客層について

沖縄県を北部・中部・南部エリアに分けると、 名護市は「北部エリア」になります。

世界遺産に指定された国頭村を始め大自然に囲まれた場所であると共に、 美ら海水族館をはじめ沢山の観光施設に囲まれた場所です。

北部に訪れる観光客の動きを タイプ別のホテル(ビジネス・リゾート)の稼働に照らし合わせたところ、 リゾートホテルの動きに当てはまることがわかりました。


つまり、ファミリー層に強いエリアとなります。



3、名護市におけるホテル不足

大雑把ですが、 (2011年当時)名護市におけるホテルの客室数は、 那覇市の約1/6。 しかし、面積は那覇市の5倍。


つまり、広いエリアに、 ホテルが、ポツポツとあるような状況です。


その状況下、 中南部の宿泊施設から北部へ向かうにあたり、 移動時間がかかる事から、 北部エリアでの滞在時間が極端に少なくなり、 名護市は、素通り観光と言われる現状でした


この事は、修学旅行やスポーツ合宿等含め、 ほぼ全てのお客様に当てはまりました。


さて、以上の事から、 全てのターゲットに当てはまるホテルの検討が行われ、 3つの具体策が提案されました。



1、幅広い客層に対応できるお部屋である事。 ビジネス〜ファミリー・グループ(1名から10名)まで 宿泊できる広いお部屋である事。 (ベットルームもありプライベートを守れる事、お風呂・トイレ等は各2箇所)


2、料金体系を一室単価にする事。 ファミリーやグループでお泊まりのお客様は、 宿泊費を人数割できるというメリット。 (人数が増えれば増えるほど安くなる)


3、ホテルとコンドミニアム、それぞれの長所をとり入れる事。 コンドミニアムの広さ、ホテルの安心感と効率性をとりいれ、 他との差別化を図る事。 イメージは、コンドミニアムとホテルの間に位置する。

2018年、多くの皆様のご協力の元 コンドミニアムホテル名護リゾートリエッタ中山は、 無事に完成しました。


計画通り、 2人でお泊まりのお客様には、広いお部屋をゆったりと、 ファミリーやグループのお客様には、宿泊費を人数割で安くなるなど、 幅広いお客様にメリットが行き渡るホテルとなりました。

お陰様で、多くのお客様に良い評価を頂いております。


最後に、

「全てのターゲットを捉える」というコンセプトが成り立った 大きなポイントの一つが「立地」です。


名護市字為又という場所は、名護市の市街地に近いのですが、 長年、沖縄フルーツランドがあった事から、 「観光地」としてのイメージの定着がありました。


つまり、この場所は、 街と観光地の「境目」になっていたのです。


その事が、幅広いターゲットに対応できるリエッタ中山の誕生に繋がります。

そして、リエッタ中山のようなホテルが、 何処にでも出来るとは言えない理由」がここにあります。


さて、今後、その立地の強みをもっと活かすべく、 リエッタ中山の周辺では新たな計画「街づくり」がスタートします。 さらに観光と街が艶やかにミックスされた場所になっていきます。


note/安里博樹より



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